本文へ移動
大津市国分でリハビリを中心とした笑顔を絶やさない介護を提供しております。
心のふれあいを大切に
安心と満足・信頼を得られるように職員一同、力を合わせて取り組んでまいります。
デイサービスセンター国分

デイサービスセンター国分からのお知らせ

2016年度医療保険法改定 重点課題は機能分化と地域包括ケア
2015-10-23
2016年度改定、重点課題は機能分化と地域包括ケア
医療保険部会、厚労省が基本方針を提示
レポート 2015年10月22日 (木)配信成相通子(m3.com編集部)

 厚生労働省は10月21日、社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学法学部教授)で2016年度診療報酬改定の基本方針案を示し、重点課題として、「医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」を挙げた(資料は、厚労省のホームページ)。12月までに同部会と社保審医療部会で基本方針を策定し、年明けから中央社会保険医療協議会が具体的な診療報酬点数の設定を審議する予定。

 厚労省は21日の部会で、次期改定における3つの基本認識と4つの基本的視点を提示した。「超高齢社会における医療政策と方向性」「地域包括ケアシステムと効率的で質の高い医療提供体制の構築」「経済・財政との調和」の3つを基本認識とした上で、先に挙げた重点課題の視点のほか、「患者にとって安心・安全で納得できる効率的で質が高い医療を実現する視点」「重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点」「効率的・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点」を4つの基本的視点として掲げた。

 具体的方向性には、医療機能に応じた入院医療、チーム医療の推進、かかりつけ医・かかりつけ歯科医・かかりつけ薬剤師(薬局)、がんや難病、後発医薬品の使用促進――などを評価する一方で、後発医薬品の価格適正化や門前薬局の評価の見直しなどが例として挙げられた。

 政府は、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2015」などで社会保障費の伸びを「高齢化等に伴う増加額を加算した範囲内」に抑える方向性をしており(『来年度予算「医療費増は高齢化範囲内」、内閣府』を参照)、改定の基本方針でも質の高い医療と社会保障費抑制の両立を目指した困難な調整が求められそうだ。

医師と薬剤師の連携がカギ

 医薬品の適正使用の推進では、残薬や多剤・重複投薬を減らすために医師・薬剤師の協力による取り組みの推進が掲げられた。これに関して賛成意見が複数の委員からあった一方で、日本医師会副会長の松原謙二氏は「調剤医療費がひっかかる」とコメント。大手ドラッグストアで薬歴未記載が相次いだとの報道に触れ、調剤医療費を一から検証すべきだと述べた。

 これに対し、日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、「薬歴の不記載はとんでもないことだが、一部の薬局の問題ではなく、特定の薬局の問題として、で対応が必要だ」と応じた上で、「残薬や重複投薬を薬剤師の疑義紹介で減らせるなど、医薬分業の効果もある。評価すべきは評価すべきだ」と述べ、医薬品の適正使用における薬剤師の役割の重要性を強調した。

「主治医」?「かかりつけ医」?

 重点課題で掲げられた医療の機能分化と地域包括ケアシステムの推進では、「診療所の主治医機能(かかりつけ医機能)の確保」が厚労省の案で提示された。これに対し、松原氏は、1人の医師ではなく複数の医師でも対応できるように、主治医機能ではなく「かかりつけ医」という言葉を使うべきだと指摘した。

 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、「主治医や総合診療医とかかりつけ医の概念が違うのでは」と述べ、厚労省の具体的方向性(案)にあった「かかりつけ歯科医の評価」についても「『かかりつけ歯科医』という概念は全く分からない」と主張。「(かかりつけ医などの)機能を高めることに異論はないが、評価というと点数を付けるかのように読める。表現の仕方を考慮すべき」と話し、部会で言葉と概念の整理をするよう求めた。

「保健医療2035」を入れるか

 複数の委員から指摘が挙がったのは、塩崎恭久厚生労働大臣の私的懇談会が策定した提言書「保健医療2035」の取り扱い。厚労省の基本方針案では、基本認識の一部で「保健医療の価値を高めるためのリーン・ヘルスケア」の達成等の目標を掲げた『保健医療2035』に基づき、費用対効果等『患者にとっての価値』を考慮した報酬体系を目指していくこと」と記載されていた。

 これに対し、連合全事務局長の高橋睦子氏の代理で出席した新谷信幸氏は「提言はエッジが効いたものもあり、中医協でも議論していない。『基づき』というのはいかがなものか」と指摘。白川氏も「基づきというのは行き過ぎ」と同意し、「リーン・ヘルスケア」という言葉についても一般的に使われていないとして「適切な用語」にするよう求めた。

 一方、東海大学教養学部人間環境学科教授で、提言書を策定した懇談会のメンバーでもある堀真奈美氏は、2035年を見据えた中長期的な提言書は画期的で、基本方針に「文言を入れることに意味がある」と主張。「基づき」という言葉ではなく「方向性を参考にして」と表現を変えた上で残すべきだとした。

 21日の部会ではこのほか、「骨太の方針2015」の改革工程の具体化に関しても議論。医療費適正化に向けた取り組みや医療に要する費用負担の在り方について意見が交わされた。

TOPへ戻る